
---------------------------------------
以下愚説
----------------------------------------
以下宣伝
|
北斎の娘・応為栄女(葛飾応為・お栄)の生涯がカナダで小説化されました。 -------------------------- 世界に名立たる浮世絵の巨匠・葛飾北斎の娘、応為(おえい)の物語。 19世紀、江戸。世界一の大都会は町人、商人、侍や貴族でごったがえし、活気に溢れていた。時は化政文化の全盛期、数々の芸術家たちが花開いていく一方で、天保の改革による芸術家への弾圧がひしひしと忍び寄っていた・・・・。 女性が男性の所有物とみなされていた時代、応為は幼少の時分より家族の一員として暮らしを助けるため、父北斎の浮世絵画廊の一員となる。根無し草の父に連れられて、遊郭、茶屋、歌舞伎座などを渡り歩き、文人との交流を深めつつも、幼い目に映った性の奴隷たちの姿は、応為の心奥深くに根ざすことになる。 はじめは父の小間使いとしての役割に徹していた応為だが、成長するにつれ、次第に画家としての頭角を現すようになる。思春期に入り、父の恋人であり、自身も姉のように慕っていた高級娼婦の悲惨な行末を目の当たりにし、女性としての行き方に決別する。「私は画家になる」そう応為は硬く心に誓う。 酒を飲み煙草を呑み、料理も裁縫も拒む応為。男勝りを気取っていても、不倫の恋、結婚・離婚、性差別を経て、彼女の中の女性は休む間もなく成熟していく。画家としての技術は磨かれる一方。次第に彼女は、女性ならではの洞察力と繊細な筆遣いとをもって、北斎には真似のし得ない、悲しいまでの美しさを作品に織り交ぜていくようになる。 しかし完成作に署名するのはあくまでも父、北斎。ファミリー・ビジネスと思えば名のある北斎の作品とするのが当たり前のことだった。しかし、自分の手でもある富嶽三十六景の成功で飛ぶ鳥を落とす勢いの父を横目に、女性また人間としての存在意義、また芸術家としてのプライドに目覚めた応為はある日、オランダ人を装うドイツ人医師、フォン・シーボルト博士に、自分の作品を託す。「この作品が、海を越えて違う世界に行けますように・・・・」 幕府の弾圧から逃れるが故の貧困と不便。老いていく一方の北斎。平均寿命45歳と言われた時代に寿命90年を全うした彼に、果たして豊作といわれる晩年10年の、あの緻密で繊細な絵画を生み出す技術と体力が残されていたのだろうか・・・・?
カナダで最も権威のある作家の一人、キャサリン・ゴヴィエが、この謎に挑戦する。膨大な国際学術論文、そして彼女自身のリサーチと想像力による、改心の傑作。日本国内でより海外で認証されている応為の所業を、本書はまるで彼女の絵作業を目の当たりにするかのように、われわれ読者の前に色鮮やかに描き出す。日本人として喜ばしい限りだ。
(以上、ずいぶん前にカナダから届いていた概要。紹介掲載をすっかり忘れていていました・・・)。 |